Saturday, March 04, 2017

Today's Book - 舞台(cont'd)

読書感想文です。

友人T:

この加減は最高に面白いです。海外でもの盗まれた話はご存じのとおり実感しみじみで自意識過剰も生まれた時から同感で、もうこのじぶんだけのぐちゃぐちゃ感はすごいです。

最後のあっさり、サインをするだけで金井さんに済ませてもらう顛末、ぼろそうな飛行機ほろ苦く大笑いです。

自爆的に 凶悪でない犯罪者や乞食になっていく夢や想像はいい年をして まだあるので、こういう小説は痛快です。

私:

ニューヨークにはすごいパワーがあって、上昇してる人のことはさらに上へと押し上げてくれるけど、いったん流れから外れて下降が始まるとなかなか元には戻らせてはくれない。

そして面白いくもあり怖くもあるのは、上昇志してるときも下降しているときも、ニューヨークの街自体はまったく変わらないし、美しくもあり醜くもあり。興奮や楽しいことや何やらがあって、下降している人にとっても決して絶望的ではないんですよね。

みんな分かっているんだと思います、上昇の波に乗り続けるのはいかに大変な労力というか、セルフコントロールが必要かということを!そういうのを手放してしまえば、そこには解放感と真の自由があるということをみんな分かってるから、誰もが下降する可能性があると知ってるから、資本主義社会のピラミッドの一番下に属しているだろうホームレスの人たちを同志と感じることができるのではないかなと思います。

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