Friday, April 10, 2009

Seven Forty Five To Nine Forty Five on April 5, 2009

何度も何度も夜中に目が覚めた。 時にものすごく怖い夢を見ていたわたしは、 「あーっ!」っていう自分の叫び声で目が覚めたりもして、 でも横をみたら、お人形がスヤスヤ寝ていて、その顔を見たら、ものすごく安心して、 ゴソゴソとお人形の布団の中に手を入れて、お人形の手にわたしの手を重ねた。

7時45分に旧式の電話の音が鳴って、お人形がモソモソと起き上がった。  「あと15分で朝食だって」 ああ! どうして!!  朝日の中でまどろみたいのに!!  いつも慌しい朝だから、せっかくゆっくりできる朝くらいはダラダラしたいのに!! わたしがグズグズしていると、お人形はスクっと起き上がって、窓をあけてタバコをすい始めて、 早く起きなさいっていう顔でわたしを見た。

仕方なく、モソモソと起き上がり、「ねー、朝食、何が出てくると思う?」っていうと、 お人形は、「えーと・・・焼き魚・・・」って言って、わたしたちは、焼き海苔でしょー、 温泉卵でしょー、納豆でしょー、玉子焼きでしょー、煮物あるかなー、ご飯かなおかゆかなーって、 もうすぐ運ばれてくる朝食を想像して、そしたらむしょうにお腹が空いてきてしまって、 まだかな、まだかなって、ダラダラしていたいと思っていた気持ちが拭きとんだ。

朝食が運ばれてきて、「昨日、あんなに食べたのになー」ってお人形が言って、わたしも、「ねー」って言って、 ふたりで仲良く朝ごはんを食べた。 「お人形? おかわりは?」って言ったら、「じゃあ、半分くらい」って言ってお茶碗を差し出した。 あー! わたしたち!! 夫婦みたいじゃないのーっ!!!  ものすごく萌えてる心をおさえつつ、しずしずと、お人形のお茶碗にご飯をよそるわたし。  


「海外とかいくとさ、おかゆでしょ? でも日本だとやっぱりご飯なんだよね。 でもお年寄りが多いのかな。 普通より柔らかめに炊いてあるよね」ってわたしが言うとお人形は、 「あー、そうだよな」って言いながら、黙々と食べ続けた。  

焼き魚がものすごく好きなわたしは、ご飯とのバランスを考えながら、大切に大切に食べいたら、 お人形はとっくに食べ終わってしまって、なおかつ、焼き魚を半分くらい残していて、 わたしがそれをじっと見つめていたのに気づいて、「食べていいよ。 おかわり、しなよ」って言った。  あー! 嬉しい!! もちろんおかわり、するしー。

ご飯を食べ終わったらもう8時すぎ。  お人形は、「じゃー、温泉行くか」って言って、お人形は露天風呂へ、わたしは大浴場へと向かった。

チェックアウトは10時だから、からすの行水みたいな速さでわたしたちはお風呂から上がって、部屋へと戻ってきた。 引き戸を開け、お人形が先に部屋に入り、わたしがスリッパを脱ぐタイミングで、「鍵、かけろよ」って言って、わたしはお人形が考えてることがすぐに分かった。

部屋に入ると、お人形はわたしを抱き寄せて、キスをした。 そして、わたしは、「あー、やっぱりね」って思った。 

彼はわたしを四つんばいにさせて、浴衣を腰まで捲り上げて、ちゃぶ台の上に押し付けた。 障子から差し込む朝日の中、わたしは息づかいを押し殺して、彼にされるがままになった。  ちゃぶ台のきしむ音が響く。 彼の体温が伝わってくる。 廊下から聞こえてくる仲居さんの声が遠くに聞こえる。 わたしは現実と夢の中をいったりきたりした。

そして数十分後、わたしは畳の上に、ぼろ雑巾のように投げ捨てられた。 はだけた浴衣をなおすこともせず、そのまま横たわるわたし。 窓際でタバコを吸うお人形に、「渡辺なんとかの、官能小説みたいね」って嫌味っぽく言うと、「えーと・・・」って困った顔でお人形が笑った。 そんな姿を見つめながらわたしは、畳の青い匂いを深呼吸して、多幸感に包まれれていた。

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