Tuesday, July 29, 2008

『初・温泉旅館お泊り』の巻 その壱



週末だし、夏休みだし、予約なしで泊まれるところなんてないかもって覚悟してたのに、あった、あった、ありました! やっぱり私たちは運がいい。 ふたりでいると、everything's alright だわ。  

部屋に入ると、約10畳の和室+床の間+窓側にテーブル&椅子のスペースがあって、トイレ+バスルームもついてる。 仲居さんが施設説明をしてくれる。 潮風でベタベタした肌が、「早くお風呂に入ろうよー」って訴えていたから、仲居さんが消えるとすぐにあなたは、「じゃー、まず風呂に入って、それからご飯ね」って言った。 そして私は、同じ気持ちなんだけど、お約束どおりに、「あーん、お風呂で離れ離れになっちゃうー」って泣きべそ。 

「じゃー40分後にね」って言ってあなたは男湯へ、そして私はあなたについていきたい気持ちを必死に押さえて女湯へ。 ネットリした汗をスッキリ洗い流して、潮風でもたついた髪をジャブジャブ洗って、リセットしたカラダで湯船にチャプン。 肩まですっぽり浸かりながら、『お風呂を出た後』のことを考える私。 

スッピンの顔は今まで何万回も見てるはずだけど、でもやっぱり眉毛はかいたほうがいいのかな。 これからご飯食べるし、公共の場だから薄化粧したほうがいいのかな。 だって、「えー、こんな変な女連れてて恥ずかしくないのかよー」ってあなたが他の人に思われたらかわいそうだし。 あーどーしよー。 頭の中がグチャグチャしてきた。 なんか、のぼせそう。

結局、化粧はしないことにして、でも髪の毛はちゃんと乾かして、ちょこっとだけフェラガモの香水をふりかけて、待ち合わせの場所へ向かうと、あなたはもうビールを飲んでた。 浴衣姿のあなたを見るのは初めて。 あー萌えるー。 素敵、素敵。 浴衣姿もいい。 あーなんでこんなに好きなの。 なんでこんなに、あれもこれもそれもどれも、何ももかもが素敵なのかしら。 

浴衣の裾がはだけないように、いつもより歩幅を狭くして歩く。 いつもよりずっと、あなたの後ろを歩く。 あー、これぞ、『日本女性』って感じ。 三歩下がって影を踏まないってこういうことね。 きゃー、私だってやればできるじゃない! 

部屋に戻ると、お布団が2つセットされてる。 あぁ、『隠微』って、こういうことね、と悦に入ったのは一瞬。 いやーん、20センチくらい離れてるじゃないのーっ!!! よいしょ、よいしょ。 あなたと私のお布団をピッタリくっつけて、ひと安心。 だって、私とあなたが離れて寝るなんて、あり得ないもの。

そんな私の心の動きにはお構いなしに、あなたは軽いトーンで、「じゃーご飯、行こうか」って言った。 私は、「はーい」って元気よく返事したけど、ホントは、ガクっ。 お腹はぺこぺこだったけど、もうちょっとお部屋でまったりしたかった。 心の中でこっそり、「チッ!」って舌打ちしたりして、まだまだ修行が足りない私。 
「そんな、あんた、焦んなさんなー」って逸る心を鎮めながら、あなたの大きな背中に神経を集中して、淑やかな日本女性風に、あなたの少し後ろを歩きながら、部屋を後にした。 

ああ、いつも幸せって思うけど、今日はまた格別、幸せ。 ありえないくらい満ち足りた気分だわ。 あなたに、ありがとう。 (って、車の中でもSMAPの『ありがとう』って聞いたなー♪)

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