Sunday, March 23, 2008

夢か現か

昨日も会ったような、もう数週間も会っていないような、さっきまで隣で寝ていたような、もう二度と会えないような、そんな不思議な感覚に悩まされる今日このごろ。 気がつくといつも 「あなた」 のことばかり考えてしまってる。 「ねぇ、次はいつ会えるの?」 なんて聞く女は最低だと思っていたけど、今はそんな女(たち)の気持ちが分かるような気がする。 会いたくて会いたくて仕方ないのに、会った瞬間にはその想いの1%も伝えられない。 ホントは駆け寄って体中にキスしたいくらい嬉しいのに、「あ、おまたせ」 みたいな軽い感じを装ってしまう。


「あなた」 という対象が分刻みで変わっていく。 さっきまでは 「あなた」 のことを思っていたのに、そのすぐ後は 「あなた」 のことだった。 そして今は 「あなた」 のことを思い出してる。 次の瞬間の 「あなた」 はいったい誰なのかしら? 

「小学校の校長先生の部屋、校長室に大きな黒いソファーがあったでしょう? ニスでテカテカした木彫りのセンスの悪いローテーブルがあって、窓際には安っぽい灰色の机とそれとはマッチしない革張りの椅子があって。 窓の外、遠くにはゴツゴツした岩山があって、所々にゴルフ場みたいな緑が点々としていて。 窓のすぐ下、校庭では、ブルマーの女の子たちや短パンで駆け回る男の子たちがキャーキャーいいながらドッヂ・ボールをしてたり、先生の罵倒する声が飛び交う中、陸上や、サッカーや、ミニバスケットボールをしてたり。 そういう穏やかで清らかで正しいものがすごく近いところにあるっていうのを強烈に意識しながら、その大きな黒いソファーに両膝をついて、遠くの岩山をぼんやり見つめながら、後ろからされるっていう妄想をしちゃうんだよなぁ。」  

私がそう話すと、「あなた」 は声をあげて笑って、そのすぐ後、私は、「あなた」 をめちゃくちゃにしてしまいたいっていう、今まで感じたこともないくらいのものすごく大きな欲望が沸いてきてしまって、信じられないくらい呼吸が浅くなってしまって、死にかけの金魚みたいに口をパクパクしてもちっとも空気が入ってこなくて、頭がぼーっとしてきちゃって、そのうちにものすごく喉が渇いてきて、それを鎮めるのにゴクゴクと唾を飲み込んだ。 

ねぇ、今見ている 「あなた」 との思い出、これは夢なのそれとも現実?

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