Sunday, June 25, 2006

安息日

教会に通わなくなってもうずいぶん長い年月が経つ。 それでもやっぱり日曜日は特別な日として意識している。 「安息日」、安らかに息する日、なんていい言葉なんだろう。


私の1週間はだいたいこんな感じだ---月曜日~金曜日: ストレスを言い訳に、暴飲暴食する;土曜日: グダグダと1日中ベッドの中で過ごす。または疲れた体に鞭打って、 街中へ出ていきさらなる疲労を溜め込む;日曜日: 環八を通る車の数も少ないので、ノイズにイライラすることなく、 穏やかに1日が始まる。


早起きをしたので、朝風呂に入ることにした。
自転車に乗り、片道20分のところにある銭湯に向かう。
メイクもしない、髪もボサボサのまま、だけど気にならない。
iPodをジーパンのお尻のポケットに入れて走り出す。
選んだのは、ギプシー・キングスのアルバムだ。
軽快に中原街道を飛ばす。坂道だってへっちゃら。
ラテンのリズムがココロを奮い立たせ、ペダルを漕ぐ足にも力が入る。
いつもは陰気な感じのする曇り空も、今朝は涼しげでいい。
綺麗に着飾った人たちとすれ違う。
足早に教会へと滑り込んでいく。日曜学校が始まるまではあと10分。
丸子橋の上で一休み。
釣りをする人たち、フラッグ・フットボールをする人たち、
ゴルフの打ちっぱなしをする人たち、散歩する親子たち、
ジョギングする人たち・・・。
彼らの表情はとても明るく、穏やかだ。
月曜日から金曜日の通勤電車で見る人たちのしかめっ面とは大違い。
彼らにとっても今日は「安息日」なんだろう。

いつも交通量の多い丸子橋も、日曜日の午前中はまだ静かだ。
きっとお昼ころ、人々が動き出すと共に、渋滞が始まるんだろう。
自転車を降り、下を流れる多摩川を覗き込む。
視線を水平線に戻すと、遠くに新幹線が走るのが見える。
大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出しながら、曇り空を見上げる。
ジプシー・キングスのアルバムから、最近買ったばかりの
「Angels All Around」に切り替える。
空は今にも泣き出しそうに見える。
私が泣き出しそうだから、そう見えるのかもしれない。
悲鳴を上げているカラダとココロが、音楽に柔らかく包まれて、
しだいにその傷は癒されてゆく。
銭湯にたどり着くのはもう少し先になりそうだ。
しばらくはこの橋の上でこうして、安らかに息することにしよう。

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