Wednesday, April 29, 2009

昨夜見た夢 ②
(Please interpret it if you can)

わたしは周りを見渡してみた。 どうやらバーのようなところにいるようだった。 店内は暗く、照明といえば、バーカウンターの中のグラスやお酒を並べるショーケースの灯りと、入り口とトイレとロッカーの近くの天井に埋め込まれた小さなダウンライトだけだった。 

暗い空間の中で目を凝らすと、ポツリポツリと人が点在しているのが見えた。 男性が8~9人、女性が4~5人、 20代前半~40代半ばで、全員がほとんど裸に近い状態だった。 部屋の中央には、コの字型をした大きなモスグリーン色のソファーがあって、わたしはそこに腰掛けていた。 両脇には、全裸の、20代半ばの、艶々した肌の、サイズ0の女性が2人、お腹を下にして寝そべっていた。 

わたしはバーカウンターへ移動した。 バーテンダーは20代前半の女性で、エメラルド色に髪の毛を染め、眉と鼻と唇にピアスを入れていた。 長いつけまつ毛をつけ、黒のアイライナーを太めに入れて、グレーのアイシャドウを瞼全体にのせていた。 ぷっくりとした唇には、真っ赤な口紅をつけていた。 

わたしがビールを注文すると、彼女は、「カールスバーグしかないけどいい?」と聞き、わたしがそれでいいと答えると、「グラスは使う?」と聞き、チューリップ型のグラスをひらひらさせた。 わたしが要らないと答えると、彼女は、緑色のボトルを、カウンターの上を静かに滑らせて、差し出した。 

ビールを持って、店内の奥へと移動するとそこには、小部屋があった。 扉はなく、レースのカーテンのような薄い布で仕切られているだけなので、明るい光が漏れている。 布をくぐり、小部屋に入ると、薄いピンク色のソファーが2つあった。 その1つに腰をかけ、ビールを一口飲んだところで、わたしの横に、20代後半の、短髪の男の子が座った。 

彼は、赤いチェックのトランクスをはいていて、日焼けした肌と見事に割れた腹筋が美しかったが、キーキーした高音の声が耳障りだった。 彼はわたしに、いろいろな質問をした。 その一つ一つにいちいち答えるのは面倒くさかったし、何しろ彼の声が神経を逆なでるので、軽くうなづいたり笑ったりしながら、内心、早くどこかへ行ってくれないかなあと思っていると、それが伝わったのか、彼はスっとわたしから離れて、他の女性に近寄っていった。 

部屋の中のもう1つのソファーには、中年夫婦が座っていた。 わたしは立ち上がり、彼らに近づき、夫婦の隣に座った。 彼らは日本人だったが、わたしが英語で話しかけると、女性のほうの顔がパッと明るくなり、ああ、懐かしい、英語でお話がしたかったのと言って、ペルーやトルコを旅行したときの話をはじめた。 男性は50代半ば、肩までの髪はグレーで、白いブリーフと、フルカップのピンクのブラを付けていた。 女性は、50代前半で、肌色のキャミソールを着て、自然な色の肩までの髪の毛を、きれいに巻いていた。 

「何が目的でここへきたの?」と女性に聞かれ、ビールを飲むため、と答えたものの、わたしはまったく酔っ払っていなくて、まだ一本のビールも飲み干せずにいた。 夫婦はそんなわたしを、わからない、という顔で見つめ、ふたりのその表情をみた瞬間、わたしはその空間にいる意味がわからなくなり、帰ります、と夫婦につげた。 


立ち上がったわたしに、女性が、「またぜひお会いしたいわ」と言い、赤いバーキンの中から、名刺を取出し、わたしに差し出した。 彼女は、外資系製薬会社勤務で、役員をしていた。 わたしも、と、ビジネス用の名刺を彼女に差し出し、そうだ、と、携帯の番号が書いてあるプライベート用の名刺も差し出した。 

店内を出る前、入り口のところにかかった時計をみると、ちょうど12時だった。 わたしは、まだ終電に間に合う、とほっとして、扉をあけ、勢いよく螺旋階段を駆け下りた。

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