Friday, April 17, 2009

昨夜見た夢
(Please interpret it if you can)

新緑が美しい初夏の昼下がりのことだった。 わたしは、木々の隙間からこぼれる日差しがキラキラと注ぐ並木道を、アパートに向かって歩いていた。 肌色のラブラドール犬を2頭連れた初老の男性が、わたしのすぐ後ろを歩いていた。 2頭は親子のようで、親犬は、飼い主にぴったり寄り添うようにして、まっすぐ前を向いて歩いているというのに、子犬は、ジグザグに歩いたり、猛ダッシュをしてわたしを追い越したり、わたしにカラダを摺り寄せたりした。 そのたびに飼い主に叱られ、するとバツの悪そうな表情をして、Uターンをして戻っていった。 その子犬の落ち着きのない歩みのせいで、初老の男性&2頭の犬と、わたしとの距離は、距離は縮まり、そしてまた離れ、それを何度も繰り返した。 



しばらく歩くと、アパートに到着した。 アパートは、現在わたしが住んでいるものとはまったく感じが違っていて、どうやら東京でも、日本でもないような感じだった。 アパートのエントランスでは、郵便配達員が、メールの仕分けをしていた。 わたしのメールボックスの下には、ミディアムサイズのダンボールが置かれていて、その中には、何通もの封筒といくつもの大中小の小包が入っていた。 その箱を両手でしっかり抱えて、中身が零れ落ちないよに気をつけながら、わたしは部屋へと向かった。


部屋に入ると、中からシャワーの音が聞こえてきた。 玄関を入って右側、あまり光の当たらないところに、バスルームがあって、そのシャワーブースの扉は、すりガラスの引き戸だった。 扉の向こうに、男性の影が見えて、わたしはそれが、元彼だとすぐにわかった。 そして、元彼がわたしのアパートでシャワーを浴びることに、なんの違和感も覚えなかった。 キッチンとダイニングが一緒になったスペースをとおり、その先にある自分の部屋へと向かう途中の左側に、もう1つの、大きな窓から光が燦々と差し込むバスルームがあった。 そしてそこからもシャワーの音が漏れてきた。 誰だろうと思っていると、しばらくして中から、白いシャツの上に青いカーディガンを羽織った女性が出てきた。 彼女は、白髪のように白い金髪で、灰色の瞳をした、20代後半の白人女性で、わたしには彼女が、元彼のガールフレンドだということが瞬時に分かった。 


彼女とわたしとの距離は、30センチほどだったが、彼女はわたしの存在に驚いたりはせず、その表情もかえることもなく、チラっとわたしを見たあと、床を見つめながら、何かを呪文のように唱え始めた。 耳をすませ、彼女の言葉を注意深く聞いてみると、それは日本語で、まったく脈絡の文章の羅列であることが分かった。 彼女の様子に少し驚いて、元彼を呼びに行こうと思った瞬間、彼が現れた。 そして、彼女をいすに腰掛けさせ、その前に跪き、取っ手のついた横20センチ・縦10センチくらのストロボを取り出し、彼女の目の前で、スイッチをオンにした。 白とピンクの光が交互に、1秒間に6回くらいの速さで点滅した。 彼はそれを10秒くらい続けた後、スイッチをオフにした。 すると、それまで床を見つめていた彼女の、生気のない表情がパっと明るくなり、まず最初に彼を見つめて笑い、そしてわたしのほうに向いてもう一度笑った。 そして、バスルームに入っていったかと思ったら、ゆったりとした黄色いコットンのカットソーに着替えて、出てきた。 


彼女と元彼を残して、わたしは自分の部屋に入り、ドアを閉めた。 普段は明るい部屋だが、カーテンが締め切ってあるので、とても薄暗かった。 カーテンを開けることもせず、電気をつけることもせず、その暗い部屋の中でわたしは、化粧を始めたが、それが間違った選択だということがすぐに分かったので、日当たりのいいバスルームへと移動した。 BBクリームを顔全体に広げ、その後、パウダーをはたくことなく、アイシャドーをのせた。 薄い色をのせたはずだったのに、鏡の中のわたしの瞼は、こげ茶色一色だった。 わたしはそれをふき取り、何度もトライしてみたが、いっこうにうまくいかない。 そうこうしているうちに、友達との待ち合わせ時間が迫っていることに気づいたわたしは、化粧も途中のまま、家を飛び出した。


通りはたくさんの人でにぎわっていた。  道の両端には屋台がでていた。 前に進もうとするが、屋台の勧誘をする外国人たちに道を阻まれて、動けない。 早く化粧をして、友達との待ち合わせ場所へ向かわなくては!と焦っていたわたしは、その場に座り込み、カバンの中身を地べたに撒きちらして、化粧を始めた。 数分後、どうにか化粧が終わり、さあ移動しようというところで、カバンの中身はそこらじゅうに広がってしまっていて、かき集めるのに時間がかかってしまう。 どうしよう、と思っていたところに、妹がやってきて言った、必要ないものはそのままにして行きなさい。 あとはわたしが片づけておいてあげるから、と。 妹のやさしさに涙しながら、わたしは駅へと走り出した。


駅に到着すると、17時38分の電車が行ってしまったばかりだった。 次の電車は10分後、48分。 18時の待ち合わせには間に合いそうにない。 わたしは待合室に移動し、タクシーを乗り合いしてくれる人はいないかと、問いかけたが、イエスという人はいなくて、誰もが次の電車の到着を待っているようだった。 


駅は1階建てだった。 18時48分になり、電車が来たと思ったら、特急が通過し、そのすぐ後に、白い電車がやってきた。 乗り込むと、大きな、屋根のない、オープンカーのような電車だった。 床には薄緑色のカーペットがひいてあり、一人用の椅子と、4~5人掛けのソファーと、丸いテーブルが、不規則に並んでいて、それはすべて、白色で統一されていた。 乗客たちは老若男女、車内のあちこちに点在して座っていた。 


電車が、目的地に着いたか、着かなかったのか、その辺は不明だが、電車を降りたわたしは、駅に直結しているデパートの中の本屋に、友達と一緒にいて、立ち読みをしていた。 彼女がわたしに近寄り小声でいう、あの後ろにいる男の人にわたし、最近ずっとつきまとわれてるの。 後ろを振りかえると、その男性はこちらを見ていて、わたしと視線がぶつかった。 身なりは清潔そうだったが、目つきが悪いことと、週刊雑誌を持つ手の位置の異常に高いことが気になった。 わたしは友達にいう、わたしが合図したら、一気に走って。 あのキャッシャーのところにいる店長に助けを求めるのよ。 わたしが、さあ今!と彼女の手をひっぱり、走り出した数秒後に、キャッシャーのところにいた店長は、その後ろにある、スタッフ専用と書いてあるドアの後ろに消えてしまった。 わたしたちを追いかけてくる男の足音がどんどん近くに聞こえてきた。 わたしはそこで方向を変え、非常階段へと続くドアを開けて、階段を少しだけ上ったところにある踊り場で、男がくるのを待った。 男は階段を下がっていく。 それを確認してすぐ、わたしたちは店内へと戻った。 そして、スタッフ専用のドアを勢いよく開け、突然の侵入者にびっくりした表情の店長の胸の中に、飛び込んだ。

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