Tuesday, June 10, 2008

Thank God And Thank You
- How Wonderful Life Is While You Are In The World -



Your Song By Elton John

「3人で焼酎を2本も飲んだよ。 飲みすぎだよね。」って言った後、あなたは、「あぁ、しんどい。」ってつぶやいて、そのまま、パタっと倒れるようにして寝てしまった。 

時計を見るとまだ0時前。 いつもより早く「帰宅」したから、今夜はゆっくり休めるねと思って安堵したのもつかの間、あなたはものすごく苦しそうに呼吸をし始めた。 何度も無呼吸の状態が起きて、そのたびに顔色はどんどん土色に変わり、3秒に1回は寝返りを打って、時折、頭をかきむしったり、額を叩いたりして、それは一晩中続いた。 あなたの体中からは冷たい汗が噴き出していた。

いつまでたってもあなたは苦しそうなままだったから、私の不安はマックスになって、でも救急車を呼ぶわけにもいかないし、このままあなたが死んでしまったらどうしようと思うと、怖くて涙が止まらなくて、ただひたすら祈った。

「神様、いつもありがとうございます。 日々与えられるこの幸せと健康に心から感謝しています。 神様、どうか、彼が、今苦しんでいる彼が、少しでも楽になりますように。 せめて今夜は、ゆっくり眠ることが出来ますように。 どうか助けてください。 お願いします、お願いします、お願いします・・・」

外が白々と明るくなってきた午前4時頃、ようやくあなたの寝息は落ち着いて、寝返りも少なくなってきて、表情も少しだけ柔らかくなってきて、それで私もやっと安心して、ふーっと眠りに落ちた。 

数時間後、いつも私が起きる時間になって、あなたはちょっとだけ目を覚まして、「さむい」と言って布団を肩までかぶった。 そしてその後、左手で私の右手を捜して、手と手を重ねた後、また静かに目を閉じた。 あなたが、こんなに苦しい状況でも、私が隣にいることを思い出してくれたことが嬉しかった。 

ちょっとだけ生気を取り戻したあなたの隣で、いつもあなたが元気なときに私がするように、つないだ私の右手とあなたの左手をそのままに、私の左手であなたの左腕を抱え込んで、あなたの左肩に頬を摺り寄せた。 そしてあなたの汗の匂いを深呼吸した。 今の私は、部屋に焚いているローズウッドや、ベルガモットや、ラベンダーや、そういうアロマオイルの香りよりもずっと、あなたの香りのほうが、落ち着く。

それからまた数時間後、「もう行かなくちゃ」とあなたが寝言みたいに言った時、私は、あなたがスクっと急に起き上がってしまうんじゃないかと心配で、「ゆっくり起き上がってね」って声をかけようかと思った。 でもあなたは私のアドバイスをちゃんと覚えていてくれて、ヨガの「屍のポーズ」が終わった時みたいに、ゆっくりとカラダを横にして、そこから頭が一番最後になるようにして、起き上がった。 「いいこ、いいこ。 よくできましたね。」って私はまるで母鳥のような気持ちになって、あなたの太ももにキスした。  

「いやーん」っていう私のいつもの口癖を、ちょっとだけ気にする振りをしてあなたはバスルームへ消えていった。 遠くでシャワーの音が聞こえる。 かすかに、夏みかんのバスジェルの香りがする。  

ベッドの中、あなたがタオルを巻いて戻ってくるのを待つ間、私はあなたに短いメールを打っていた。 「大変な時期なのに、会いにきてくれてありがとう。」 あなたと一緒にいられる一秒一秒が、ありがたい。 神様、ホントに、ありがとう。 そして、あなたに、ありがとう。 

あなたが(生きて)いるから、私の毎日は、素晴らしい。

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