Saturday, May 24, 2008

You're The One

From This Moment On by Shania Twain

♪From this moment I have been blessed
I live only for your happiness
And for your love I'd give my last breath
From this moment on♪


あの夜、レストラン+ジャズバー+クラブを2軒はしごした後、あなたは眠くてあくびが止まらなくなって、私はお腹ペコペコになっちゃって、それが帰る合図。 外に出て、時計を見ると、午前2時45分。

数十メートル歩いた先、ビルとビルの間に、緩やかな階段があった。 踊りすぎて足も腰もクタクタだから、ちょっとだけ休もうと、あなたを誘って並んで座った。  そしてそのうち、どちらからともなく、私たちは階段の踊り場に寝転がった。 

それはまるで、寝る前に歯磨きをするみたいに、家を出るまえに香水をふりかけるみたいに、レストランで白いナプキンを膝の上に広げるみたいに、頭の中の英語と日本語のスイッチを切り替えるみたいに、1日の終わりにワインのボトルを開けるみたいに、実家に帰ってまず最初に仏壇に手を合わせるみたいに、職場でパソコンにログインするみたいに、今まで何万回と繰り替えしてきて、カラダに染みついている、自然な動作のようだった。 

日中は真夏日のような暑さだったというのに、それは幻のよう。 夜の気温は下がっていて、冷やされたコンクリートが、アルコールとクラブの熱気で火照ったカラダに、心地良い。

怖いもの知らずのキッズじゃないんだし、渋谷のギャルたちみたいに道端に座り込んだり、ましてや寝転んだりする機会は、もうなかなかない。 たとえ私はOKだと思っても、それを一緒にやってくれる人は、滅多にいない。 最後にこんな風にしたのは、あぁそうだ、ニューヨークの3rd ave. & 6th st.の歩道、フランス人の飲み友達Cと、ダウンタウンの汚いバーをはしごした後、ビールとガンジャでヘロヘロになっちゃって、寮までのあと3ブロックが歩けなくて、それで倒れこむようにして寝転がったんだっけ。

見上げた真っ黒な空、目を凝らすとたった1つ光る星。 あれ星かな? いや違うんじゃない? だって動いてるよ。 スペースシャトルじゃない? いやーもしかしたらUFOかもしれないな。 こっちへ来るよ。 えー動いてないよ。 私たちの目がおかしくなってるだけなんじゃない?

夜空から視線を落とし、あなたの横顔を見つめた瞬間、思わず震えてしまうくらいの「好き」という思いがこみ上げてきた。 そんな自分にパニクちゃって思わず、あーお腹空いた、餃子食べたいよー、って言ったら、よし、この近くに旨い店があるから行こう、ってあなたは言って、すっかり餃子を食べる気になって起き上がった。 「キレイな夜ね」って言ってあなたの頬にキスでもしちゃえば良かったのに、せっかくの美しいシーンをカットしちゃうなんて、私はまるでダメなディレクター。 

あなたと一緒だと、何をしていても、どこにいても、五感で感じるものの全てが美しくて、キレイな映画のシーンのように、私の記憶の中に刻まれる。 出会いから今までのどのシーンを回想してみても、その一つ一つが感動的で、思わず涙がこぼれそうになる。 ずっと一緒にいたい。 ケッコンなんてしなくてもいいし、コドモなんていらないし、他の男の子たちと遊べなくてもいいから、だからずっと側にいさせてほしい。

タクシーを止めるあなたの姿を見つめながら、しみじみそう思った私。

No comments: