Saturday, May 03, 2008

Your Happiness Is Mine

あれは帰国して初めての夏のこと。 天王洲アイルのホテルのロビーには七夕の笹飾りがあって、その前でふたり願い事をしようということになった。 「ねー、なんてお願いしたの?」 と聞く私に、「仕事が順調でありますようにって」 と答える彼。 「えー、私はふたりがこうしてずっと一緒にいられますようにってお願いしたのに、あなたは仕事のことなんてお願いしてたの?」 と私が少し拗ねると、「仕事がうまくいかなくなったら、家庭もうまくいかないし、そしたらこうして会う余裕もなくなるからさ」 と彼。 なんだ、結局は同じことをお願いしていたのね、と嬉しくなる私。

あの頃は、彼の幸せを四六時中、全身全霊で祈ってた。 彼を中心にして廻る世界の全てがうまくいきますように。 彼の仕事だけじゃなくて、彼の健康や、人間関係や、彼の奥さんと子供のことも、全てがうまくいきますように。 彼の幸せが私の幸せ。 

あれから8年、今の私は当時の彼とは違う彼と一緒にいて、その彼の幸せを祈る日々を過ごしている。 

「私がこうして毎日、24時間中23時間30分くらいあなたのことを考えて、あなたの幸せを祈っているっていうのってすごくない? 家族じゃなくて他人が、自分の幸せをそこまで祈ってくれることって滅多にあるもんじゃないでしょう? だからそういう風に他人から想われたら、その人は絶対に幸せになるはずでしょう? 私があなたの幸せをこんなに祈ってるんだから、あなたは絶対に大丈夫、絶対に幸せになる。 いいことがたくさん起こるよ。 だから私のこと捨てないでね。」 

「そろそろ行かなくちゃ」 という彼の膝に頭を乗せ、腕に腕を絡ませて、「いやーん、行かないで」 と駄々こねる私に、もうひとりの冷静な私がダメだしをしている。 彼のワールドの全てがうまくいかないと、私は会ってもらえなくなっちゃう「嗜好品」的な存在なんだから、とりあえず仕事は頑張ってもらわないとね。  

「行ってきます」 と笑う彼を、「行ってらっしゃい、気をつけてね」 と笑顔で見送りながら、「今日も1日、彼が幸せでありますように」 と祈る私。

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