Sunday, May 11, 2008

Just Like A Drug



ここ数ヶ月、中毒していた。 

「夢を見てるようだった」 というのとは違う。 私の見る夢は現実の世界よりもはるかに現実的だし。 

Xが効いた時とは違う。 世界中の人を愛してると思っても、誰でもいいから触れたくてつながりたくて、という博愛的な感覚ではなかったし。

Cokeの、7本とか8本目あたりの感じとも違う。 息が出来ないくらいの大きな性欲がわいたとしても、それだけじゃなくて、もっと柔らかい感覚で、ただ側に気配を感じられればそれで幸せ、と思う瞬間がほとんどだったし。

Acidでトリップした時とも違う。 目を開けているのに違う映像が見えたわけじゃないし、木の葉の摺れる音や隣のコーヒーショップの蒸気の音に、まるで美しいオペラを聴くように聞き入ったわけじゃないし、バスタブの底に広がっていくお湯の美しさに、まるでシャガールの絵の世界に入り込むように、見惚れたわけじゃないし、目の前のカレーのルーが怪しくうごめく様子を、火山のマグマが地表へ駆け下りてくる様を重ねて、感動したわけじゃなかったし。 

ただ欲しくて欲しくてたまらなかった。 彼の香りが消えると、彼の感触がなくなると、彼の表情や声が思い出せなくなると、また欲しくて、どうしても、なんとしてでも欲しくて。 

中毒しているものを追い出すには時間がかかる。 死んだほうがマシだと思うような苦しい禁断症状にはただ耐えるしかない。 

肉体的な依存より、精神的な依存のほうがはるかに強い。 プログラムされてしまったものをプログラムしなおすこと、そしてその期間を耐え抜くことが至難の業。 大好きだったCokeをやめてから数年間は、「Coke」と聞くだけで、顎が震えた。 
 
それにしても、私は強い。 あんなに依存した彼の、彼なしの生活に、耐えている。 あぁ、それでも、いくら強靭なシステムを持つ私でも、今回は少し疲れた。


しばらくは休もう、と思う。

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