Tuesday, May 06, 2008


Bushido: The Soul of Japan

『新渡戸稲造』の名前を初めて聞いたのは、中学校の歴史のクラスだった。 何をしたから偉人として後世までその名が知られているのか、実はまったく覚えていない。 

一昨日、上野駅構内のブックストアに立ち寄った。 軽めのファッション誌でも買おうと思っていたのに、レジに並ぶ私の手にはなぜか、新渡戸稲造著の『武士道』。 勢いで一気に読み終わり、そしてまた、読み返している。 

「武士道とは何か」から始まるこの本の中には、武士の源、彼らの信じる道~義(正義)・勇(勇気と忍耐)・仁(慈悲の心)・礼(仁・義を型としてあらわしたもの)・誠(正直であること)・名誉(命以上に大切な価値)・忠義(何のために生きるか)、武士の教育方法、克己(自分に克つ)、切腹と敵討ち(命をかけた義の実践)、武家の女性に求められたもの、武士道が後世に残したもの、などが書かれている。

私みたいな、武士道からは程遠いところで生きている人間が、この本について少しでも書こうとすること自体が、武士道を生きた人々全てを侮辱する行為のような気がするので、これ以上は控えようと思う。 でも今この「変化」の時期に、この本にめぐり会えたことは、偶然ではなく必然で、大きなエネルギーが今の私に必要なメッセージを伝えているとしか思えない。 この出会いに意味が意味を感じずにはいられない。 

外国で生活していると、日本人であることを日々意識させられる。 日本という国、その国に住む人々について、イヤでも目を向けさせられる。 日本という国に生まれたこと、日本人であることに感謝し、誇りに思うようになる。 この新渡戸稲造という人も、もしかしたら私や他の海外生活者同様に、そう感じたんだろうか? フツフツと沸き起こった愛国心を、彼も私たち同様に抱いたのだろうか? 彼と私がリンクしたような生意気な考えがチラっと頭の中をよぎった。

新渡戸稲造

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