Wednesday, April 30, 2008

Let's Go To Hawaii
~病気から元気へ~

京の都でほろ酔い加減のころ、弟からメールが入った。 「アネキ明け方病院へ。 薬がなくなってたけど病院にいけず、それで体が硬直したみたい。 オカンが病院連れて行って、午後からはオレが見てた。 オヤジは相変わらず我関せず」 

妹が硬直? 病院へ?? ぼんやりとした頭の中、いろいろな思考がいったりきたりした。 とりあえず電話をしなくちゃ、いや病院だと出られないからメールにしたほうがいいのかな、留守録にメッセージが入っていないから一大事ということではなさそうだ、でも万が一ってこともあるから今夜は帰ったほうがいいんだろうか。 そういえば義弟が亡くなった連絡を受けたとき、私は同僚の結婚式で大阪のリッツにいたんだっけ。 もし今夜帰ることになったらどうしよう。   

ラッキーなことに、その夜はそれ以上の連絡はなく、私のイヤな想像や心配も増殖することはなかった。

翌日、そろそろ比叡山を降りて京都駅に向かおうというところで、妹からメールが入った。 「ジストニアという病気になってしまいました。 筋肉が硬直してしまう病気です」 メッセージに添えられていたリンクを開き、病気についての説明を読む。 

ジストニア

「中枢神経系の障害による不随意で持続的な筋収縮にかかわる運動障害の総称。姿勢異常や、全身あるいは身体の一部が捻れたり硬直、痙攣といった症状が起きる」

家についてすぐ、母に電話する。 どうやら常時飲んでいるすう種類の抗うつ薬が切れたことにより、筋肉の硬直が起こったらしいとのこと。 これから一生薬を飲み続けていかなければならないという。 「うつも最近とくにひどくなっちゃって、なんだか別人みたいよ」と力なくつぶやく母。 

電話を切った後、怒りが爆発的に沸き起こった。 それは、誰かに対してでもなく、何かに対してでもなく、自分に向けられたもの。 無力な自分に対しての怒り。 そしてその直後、そんな怒りを抱いた自分に対して、さらに大きな怒りが沸き起こった。 妹の抱える問題を解決できると一瞬でも思ってしまった高慢さに腹が立って仕方なかった。


いつから私はそんな立ち位置で物事を見るようになってしまったんだろう。 私はマリアじゃない、キリストじゃない、仏や神じゃない。 誰かの代わりに誰かの人生を背負って歩くことなんかできるわけがない。  

あぁ、これからどうしよう、そうため息をついたとき、昔、日曜学校で聞いた話をふと思い出した。 「闘牛がものすごい勢いであなたに向かってくるとき、クリスチャンとしてとるべき行動はどれですか?」 という問いに対して、答えが3つ。 1) とにかく逃げる 2) ひざまづいて祈る 3) 祈りながら逃げる。 クリスチャンとしてとるべき行動は、3)の祈りながら逃げる。 これに当てはめた場合、今の私がとるべき行動は? 1) 現実逃避 2) 困ったときの神頼み 3)万事うまくいくと信じ、そして祈りながら、現実的な解決策を探る。 

よっしゃ、グーグル・サーチして、病気のことについて学ぼう。 そして病気が快方に向かうようなお手伝いをしてくれそうな病院を探そう。 同じような境遇にあり元気に向かって行こうとしている人たちとその家族たちのサポートグループを探そう。 そして、「こうなってほしい」と思う未来の状況を心に浮かべ、それがすでに現実に叶ったような気分になるまでしっかりビジュアライズしよう。 

あぁ、いつかみたいに、妹とふたりでハワイへ、シャンパン飲んで、クルーズして、浅黒い肌のロコ・ボーイズたちに声かけられまくって、どこいってもチヤホヤされて、っていうピクチャー、最高! 

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