Sunday, April 06, 2008

夢のまた夢

あなたと一緒に、バンみたいな白い車に乗っている夢を見た。 眠くなってしまったあなたは仮眠しようって言って、かわら横にある民家の入り口、急坂になっているところに停車した。 シートを大きく倒して寝始めたところで、窓を激しく叩く女性に起こされた。 「あなたたち、ここで何やってるの、公共の場なのよ。」 女性は恐ろしい形相で、続けた。 「あなた、名前は何ていうの。 愛子さん? 優子さん?」 私は自分の名前を知られるのがイヤで、女性の問いかけには答えなかった。 すると女性はあなたに詰め寄った。 「彼女の名前は、愛子さん? 優子さん?あなた彼女の名前を知らないんじゃないの?」  あなたが何て答えるのか、私は少し不安になった。 もしかしたらあなたは私の名前を女性に言ってしまうかもしれない。 いやそれより、もしかしたら私の名前を答えられないかもしれない。 するとあなたは女性に向かってハッキリとした口調で言った。 「彼女の名前は愛子でも優子でもないですよ。 だけどあなたには教えない。」  そう言うあなたの横顔を見つめながら、私は安堵した。

というところで目が覚めて横を見ると、あなたがいた。 夢の中でもあなたと一緒で、夢から覚めてもあなたと一緒だなんて、私はなんて幸せなんだろう。 まだ眠っているあなたの腕に軽くキスすると、あ、アヤコ、起きてたの? とあなたが目を覚ました。 そして握っていた指をほどいて、私を抱きしめた。

というところで夢から覚めた。 横にあなたはいなかった。  

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