Friday, March 28, 2008

ひとりよりふたり

近所の格安お寿司屋さんに入り、一人前のお刺身を肴に、ひとりビールを飲んだ。

私の右隣には、お一人様の50代の男性が、お通しを肴に焼酎を2杯を飲み帰っていった。 その後に座ったのは60代の女性、またもやお一人様で、貝づくしのにぎりを食べて帰っていった。 

左隣には、40代のラテン系の男性と日本人女性が、焼きサーモンを連続でオーダーし、その横には30代前半の日本人カップルが、春野菜の天ぷらと白魚のポン酢を肴に安い日本酒を飲んでいた。 その横には40代の夫婦が、黒板に書いてある「今日のお勧め」を片っ端から注文していて、男性はビンビールを、女性はお茶を飲んでいた。 

ラテン系の男性と日本人女性は英語とポルトガル語と日本語をちゃんぽんで話していて、「日本で買うとどうしてZARAは高いの?」 とか、「あの時あなた彼女のこと見てたでしょ」 とか、「お前はどうしてそういう話をここでするんだとか」 いいながらイチャイチャしていた。 その横の日本人カップルは、「きみのその服いくらだったの?」 「あら、これは前から持っていたでしょ」 なんて話をしていた。 その横の夫婦は会話が全くなくて、でも男性のほうはお酒に酔って赤い顔をしながら、チラチラと私を見ていた。

板さんは私に気をつかって、何度も何度も 「次何にしましょう」 と聞いてくれたから、そのたびに何か注文しなくちゃいけないような気がして、お腹いっぱいなのに私はあれこれと注文してしまって、結局、いわし、ほたて、穴子、中とろ と合計8貫も食べてしまった。 最後のほうになると 胃がハチキレそうになって、ビールがちっともすすまなくて、でも残しちゃ悪いと、大学生のころみたいに気合で飲みほす自分がバカみたいだった。

「久しぶりに魚が食べたい」 と彼と一緒に下北沢のお魚屋さんに行ったのは2日前。 フラッシュバックに負けて、その時の再現がしたくなったわけじゃないとは思うけど、でもカウンターにひとり、食べるお魚はあまり美味しくなくて、あぁ彼と一緒だったから何もかも美味しかったんだなぁと思い知った。 

ひとりで何でもできるけど、やっぱりひとりよりふたりがいい。

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