Monday, February 18, 2008

(抑えきれない)心の叫び

仕事が終わるのはいつも23時くらいの彼。 待ち合わせは0時、隣駅の改札。 人々はみな改札の中へと吸い込まれていく中、その波に逆らって赤いダウンを着た彼が出てくる。 最近アッシュブラウンに髪の毛を染めた彼は、ますますキュートさに磨きがかかっている。 「外国人みたいにしてくださいって言ったんだ」 「え~っ、マジで外国人みたいにしてくださいって言ったのぉぉ?」 からかう私に恥ずかしそうな笑顔の彼。 

心の叫び:
「うん、うん、わかるよぉ。 後頭部が日本人離れしてる(のっぺりしていない)し、色白だし、目の色も茶色いから、髪の毛をそんな色にしたらモロ外国人だよぉ。 お母さんが日本人でお父さんが外国人っていうミックスの子に見えるよぉ。 あぁ、可愛いぃっ。 お姉さんたまりましぇ~ん。」

ぶらりぶらりと人通りの少ない路地を歩いて、創作和食のお店を見つけて入る。 彼は温燗の日本酒、私は白ワインを飲みながら、お刺身、野菜のたき合わせ、地鶏の炭火焼などをいただく。 たらふく食べてたらふく飲んだ後、最後の締めに鶏の炊き込みご飯を。

心の叫び:
「う~ん、美味しいお料理(&お酒)は一人でももちろん美味しいけど、可愛い男の子と一緒だとさらに美味しいなぁ。 ひ~、たまんない、やめらんねぇべ~」 

お酒もまわり、トロンとした目になった彼がいう。 「海外で(料理の)勉強してみたいんだけど、跡取りだから無理だろうなぁ」 ろうそくの炎のようにやわらかく点る灯りの下、彼の頬が深い絶望色に染まる。 その横顔を見てたら、姐さん根性シャキ~ン。 どうしてもNYに連れて行きたくなった。 

心の叫び:
「私と一緒に行こう! NYで美味しいお酒を出すお店をやろう! 今のお店は弟に任せて、新しい挑戦に向かっていこう! これからもずっとふたりで歩いていこう!」 

喉まででかかった心の叫びをグッとこらえる。 「NYに遊びにいこうよ! 友達に紹介するよ!」 代わりに出てきたのはそんなチャラい言葉。 その言葉を発した瞬間、私の頬が絶望色に染まる。 彼が直球投げてるときに、なんで変化球なげてんだろ、私。 ひきつりながらも笑顔をつくると、その笑顔につられて笑う彼。 ほんの少し明るくなった彼の頬に触れたい欲求をグッとこらえて、店を出る。

心の叫び(っていうか告白):
「も~っ、好き、好き、好き、すごく好き。 『手が好き』って今朝言ったけど、ホントは『手も好き』。 どこもかしこも全部好き。


『キムタクは殿堂入りしたよ』って昨日行ったけど、ホントはキムタクよりずっと好き。『最近はチョン・ウソンにはまってる。ちょっと影のあるタイプが好き』なんて駄目押ししたけど、ホントはチョン・ウソンよりもずっとずっとあなたが好き。 明るくて、素直で、優しいあなたがすごく好き。

好き~って思う瞬間が多すぎて覚えていられない。 いつの瞬間も好きって思ってる。 瞬きのとき人より長くためるところも、一晩中手をつないで寝てくれるところも。 BBクリームを塗りこんでいる最中の変な顔になってる私の側で話をしてくれるところも。 体重計に乗ってため息ついてるところも、私に乗ってるときも。 その唇も、キスの仕方も。 あなたの匂いも、声も話し方も、全部が好き。 こんなに好きでもうどうしたらいいんだろうっていうくらい好き」