Sunday, July 04, 2010

トラウマ

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そうつぶやきそうになった時、ハっとした。
これは、トラウマなのかもしれない。

わたしはいつも、自分より若い子に脅威を感じてた。

21歳のころ、宴会コンパニオンのバイトをしていた。
(いや、バイトなんていう甘っちょろいものじゃなかった。
生活がかかってた。 学費がかかってた。 
アメリカに行くという夢がかかってた。)

そのころは、「頭」として、あちこちの宴会に呼ばれていた。
「あやちゃんと・・・若い子をお願い」
お店の女将さんからのリクエストはいつもそう。
顧客の方々からのリクエストもそう。

女将さんたちからのリクエストの理由は、
わたしが入ると、ドリンクのオーダーがうなぎのぼりだからだった。
わたしも率先して飲むが(2時間でビール1ケースくらい)、
酔っ払いのお客さまたち相手に容赦なく、
どんどんお酒をすすめるからだ(苦笑)。

お客さまたちからのリクエストの理由は、
わたしが入ると、若い女の子たちが安心して、
どんどん飲んで、ちょっと乱れて、面白い宴会になるからだ。
そして、わたしが歌い、女の子たちとダンスを踊れたりするからだ。

女の子たちから、絶対的な信頼を得ていた理由は、
わたしが、マナーの悪いお客さまたち相手からも、
しっかり女の子たちを守るからだ。

「てめー、変なことやってんじゃねーよー」
「触るんだったらチップしっかり出せよー」
わたしが怒鳴っても、お客さまたちは「ヘヘヘ」って力なく笑って、
反省して、手をひっこめて、気前良くチップをはずんだりして、
ウィン・ウィンの関係だったからだ。

(ママや他の年配の女の子たちだと、そういうわけにはいかなかった。
「ふざけんなよー金だしてんだぞー」
「じゃー帰れよー」
ルーズ・ルーズの関係ですね 苦笑)

というわけで、わたしの入った宴会は、
若い女の子たちからも、お客さまたちからも、
お店の女将さんたちからも、大うけだった。

しかし・・・
わたしは、内心、穏やかではなかった。

若い子というのは、16歳とか17歳とかで、
21歳のわたしからしたら、脅威でしかなかった。
彼女たちは、とにかく、若くて、可愛くて、
肌のハリも全然違うし、
わたしにないものをたくさん持っていた。
(21歳のわたしだって、十分、若かったんですけどね・・・)

おかげさまで、紳士的で義理堅い顧客の方々は、
わたしとの歴史を重んじ、気をつかって、
(痛い、痛い・・・)、
わたしの顔をつぶすようなことは一切しなかったけれども、
売り上げナンバー1の座を、年下の子に奪われることが、
怖かった。
宴会に呼ばれなくなる日がくることが怖かった。
「ババア、帰れよー」と、言われるかもしれないという、
そういう恐怖と、いつも戦っていた。

純真無垢なフリをしつつ、過剰サービスをしてるる若い子たち。
彼女たちなら、「若さゆえ」で許されることも、
「頭」をまかされているわたしにはできなかった。
それに、わたしのサービスは、そういうスタイルではなかった。

あれから、20年がたち、今でも、若い子と飲む席では、
いつも足元がグラグラする気がする。

このトラウマ、どうしたらいいんだろう。
「怖さがなくなるまで、繰り返したらいい」
いつか本で読んだことがあった。

そっか、繰り返せば、消えるのか。
よしっ!

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