Wednesday, February 14, 2007

Happy Valentine's Day

<春の嵐の前兆>

遠く故郷を1人離れ、異国の地で、
愛する人たちの自由を守るために生きている、
そんな若い男の子がいた。
今にも振り出しそうな空を見上げ、溢れる想いを届けようとしていた。
一瞬言葉をかけるのをためらった後、静かに声をかけた。
「ねえ、雨を見ているの?」
「あぁ、うん。見られちゃったね」
しばらく彼の横で一緒に空を見上げた。
彼と私の見つめる空はこの地球のどこまでも続いている。
私の愛する人たちの土地へも、彼の愛する人たちの元へも。
街中が大騒ぎしているバレンタイン・デーだから寂しいんじゃない。
それは毎日想う気持ち。
ただただ、愛する人たちからかけ離れている現実が切ない。
自分で選んだ道、変わらない毎日。
それでも、分かっているけど、どうしても伝えたい募る想い。
ほんの数秒、そんな想いを無言で共有した後、
宇宙へまで届けといわんばかりの熱い想いを、
祈るように放った後、彼も私も、現実へ引き戻された。
「良いバレンタイン・デーを!」
そう言い合いながら、彼は彼の場所へ、私は私の場所へ戻っていった。

<春の嵐の夜>

まるでバケツをひっくり返したみたいな雨。
春の嵐、というより、なんだか初夏の匂いがした。
水浸しの歩道を蹴飛ばしながら歩いた。
「コンビニで買い物がある」なんて、どうでもいい言い訳をして歩いた。
道に叩きつけられた雨が跳ね返って、霧になる。
街頭に照らされた水たまりは、一秒ごとに広がって、川になる。
まるで雪の日みたいに、音が吸収されて、静寂が生まれる。
聴こえるのは、行き交う車が作る水しぶきの音だけ。
頭から足の先まで、びしゃびしゃに濡れる。
それがなんだか嬉しくて、傘をわざと斜めにさしたりして。
私の中に溜まる嫌な想い、いらない考えを、洗い流してほしい。
もっと降れ、もっと強く。

いろんなモヤモヤを流してほしい、と思う私。

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今日あちこちで、いろんな想いを抱え過ごしている全ての人へ。
Happy Valentine's Day!
You're not alone; you're loved by someone!!

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