Saturday, December 16, 2006

ひねり揚

私は、「綺麗」なカラダに「綺麗」なココロが宿る、と信じているので、
ここ10年くらいは「綺麗」な飲食物を摂取するように心がけている。

なんて思っていても誘惑には弱い私は、どうしてもジャンク・フードが止められない。チーズバーガー&フレンチ・フライ、ピザなどの脂っこい食べ物には目がないし、ドリトスなんかは袋を開けたら全部食べてしまう。

いろいろなジャンク・フードがあるけれど、もしかしたら私はひねり揚が一番好きかもしれない、と思った瞬間↓

席に座るとすぐに乾き物の盛り合わせが出てきた。前の店では飲んでばかりで一切何も食べなかったので、私はひどくお腹が空いていた。ひねり揚、アーモンド、ピーナツ、柿の種・・・この乾き物の盛り合わせに夢中になった。むしゃ、むしゃ、むしゃ。気がついたら私1人でお皿はほとんど空っぽにしてしまった。お皿に残っているのはひねり揚1本。食べたい、でも遠慮したほうがいいにきまってる。今までガツガツ食べていたのだから今さら遠慮しても手遅れなのだが、最後の1本となると、どうしても気がひける。そこで私は、テーブルを挟んで座っていた年下の男の子に譲ることにした。「はい、どうぞ」 スーッと静かに彼の目の前にお皿を進めた。すると彼は、ひねり揚の端っこのほうを持って、「ほら、半分やるよ」という顔をした。その顔をみた瞬間、私の世界から音が消えた。そして周りの景色がぼやけて見えた。それはまるで、私と彼だけが周りの人たちとは違う別の次元に存在しているような感覚だった。スローモーションで動く私たち。私は手を伸ばし、彼の指にはさまれたひねり揚に触れた。そしてその端っこを持って、プチンと半分から折った。とその瞬間、止まっていた周りの景色が動き出し、消えていた音が戻った。普通のスピードで動くようになった私たちは、ほぼ同時に、半分ずつにしたひねり揚を口に入れた。なんだか秘密の約束をしたときみたいに胸がドキドキした。それからはずっと、私は彼の指ばかりを見ていた。

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