Wednesday, June 14, 2006

終わりよければすべてよし。

最近気にいっている酸素バーを18時から予約していた。
17時半にはオフィスを出ようと思っていたのに、
そんな日に限って上司が頼みごとをする。
あれこれ世話を焼いているうちに時間は17時50分になってしまった。
オークラに届け物があるのでそれに10分~15分かかるとしたら、
確実に予約の時間を過ぎてしまう。
焦りと苛立ち、を抑えつつ業務終了したのは、18時5分。
オークラからタクシーに乗り込み表参道へ。
6月1日から施行の条例のおかげで路上駐車はめっきり減って、
そのおかげで六本木交差点の渋滞も驚くように緩和された。
裏道をくねくね進み18時20分に表参道交差点到着。
と同時に元・婚約者からメールが入った。
どうやら今夜の待ち合わせには遅れるらしい。
酸素バーの後、19時からディナーの約束をしていたのだが・・・
こみ上げる苛立ち、抑えながら酸素バーのドアを開けた。

しばしの静寂、平安。

19時25分にトリートメントが終わり酸素バーを後にしたとたん、
元・婚約者からのメールがまた入った。
どうやらまだ会社から出られないらしい。
待ち合わせにはかなり遅れるのは確かなので延期したいとのこと。
燃え上がる怒り、を抑えメールを打つ。
「別に今日でなくてもいいのでは?」
それからは彼から何度も謝りのメールが入り続ける。
不思議なもので謝られるほど被害者意識は強くなり
と同時に燃え上がった怒り、もさらに膨れ上がる。
NINE WESTの黒のミュールが足に食い込んで痛い。
このミュールは婚約時代に彼がNYで買ってくれたものだ。
この沸騰寸前の怒り、をどうすればいいというの?
この華奢なミュールに罪はないというのに、
今すぐ脱ぎ捨ててゴミ箱に捨ててしまいたい衝動に駆られる。

しばらくの辛抱、辛抱。

やっとの思いで自由が丘にたどり着きタクシーに乗り込む。
ラジオからは野球の実況中継が流れてる。
どうやら清原がドームを沸かせているらしい。
「清原、打ったんですか?」と私が口を開くか開かないかの瞬間に
タクシーの運転手さんが話し出す。

「今年の巨人は優勝確実だと最初は思ったのにねぇ・・・
ロッテの監督はどこがすごいか知っているかい・・・
巨人にいるとみんな選手がいじくりまわされてだめになるよ・・・
原さんは今までの監督と違うと思ったんだけどねぇ・・・
日本の野球はシーズン通して勝ち越すことを考えているからだめだね・・・
アメリカ式の野球は目の前の1試合を勝つことに集中するっていうじゃないか・・・
イチローだって最初はバッティング・フォームを変えろっていわれて不調だったんだよ・・・
清原だって巨人の最後は打てなくなっちゃったじゃないの・・・」

スポーツ好きの私にコメントする間髪を与えてくれない勢いで
運転手さんは話続ける。
タイミングを逃しつづけた私はただ静かに「はい」を繰り返すだけ。

10分弱後、マンションの前でタクシーを降りた瞬間に
あれほどの怒りやイライラや色々なネガティブ・THOUGHTSが
消えていることに気づき驚いた。
運転手さん、ツワモノだな。やられた。完敗。
そして心から、ありがとう。

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