「うさぎ」と「かめ」



30才の誕生日にNYから帰国しました。

何も成し遂げられないまま、
ものすごく情けないキモチで。

その時の所持金は100ドル以下。
そのほとんどは、ニューアーク空港で、
超過手荷物料金として消えてしまいました。

成田到着時に手元にあったドルを円に換金したら、
約2,000円しかありませんでした。

成田エクスプレスに乗ることもできず、
各駅停車の電車に乗りました。

実家の最寄の駅からは、
タクシーに乗るお金もなく、
160円のバスに乗りました。

当時、ココロに強く思っていたことは、
5年後にはまたNYに戻るということ。
そして、着物を着て生活するということ。

あれから長い時間がたちましたが、
わたしはまだ日本にいます。

でも、アメリカの敷地で働く毎日です。
そして、着物教室に通いはじめ、
念願の着物も買うことができました。

思い描いた未来予想図とは微妙に違うけど、
ざっくりとは、夢が叶っている気がします。

若い頃のわたしは、自分は、「うさぎ」だと思っていました。
でも今は、「かめ」なのかもしれないなぁって思ってます。

だから、これからも、
すぐに結果が出なくても、
焦らずに、ふてくされることなく、
いろいろ寄り道しながらでも、
気がついたら、「夢」に到達しているっていう、
そういう感じで、いいのかなぁって、
そう思います。