Thursday, March 07, 2019

Uniform

「Uniform(ユニフォーム)」は、名詞では「制服」、動詞では、「~を均一にする」という意味だ。

たかがユニフォームだけど実は恐ろしくて、つまり、ユニフォームを採用している組織というのは、そこに働く人たちを「均一(=没個性)にしたい」し、更にその組織の色に染めたいという意図があるんだと思う。

更に恐ろしいのは、働く人たちは、その組織の色に見合うような服を用意することができない(だろう)から、その組織の色を反映したユニフォームを提供してやろうなんて、組織側は思っているんだろうと思う。

今まで働いてきた組織には、ユニフォームはなかった。そんなに素晴らしく高いお給料をもらっていたわけではなかったけど、服に関しては、毎日違うものを着ることができるほどの数を持っていたし、季節の変わり目には新しいものを買う余裕があるくらいのお給料がもらえていた。

今はユニフォームがある組織の中で、働いている。通勤の時間、往復90分間のためだけの服だし、どうせユニフォームがあるからと、着飾ることをしなくなった。それにぶっちゃけ、ものすごく安い給料になったし、昨年度の収入をベースに天引きされる税金もあるし、服を買う余裕どころか、日々の生活だって困窮している。

ランチ休憩中、ふとそんなことを考え始めたら、このままどんどん落ちていくのかなと、胸が苦しくなった。そして気がつくと、カフェテリアをを飛び出し、仲通りを歩いている自分がいた。

風は冷たく、小雨が降っていた。あのままカフェテリアにいたら、涙が溢れてしまって、とても惨めな気分になっていただろうから、寒さに震え雨に塗られる姿は惨めだっただろうけど、気分は悪くなかった。

もちろん突発的な動きだから、仲通りを歩いたって用なんてあるわけはなかった。カフェテリアでランチは食べてしまったからお腹は空いてないし、それより何より社内用の小袋だけを手に飛び出してきたので、財布は持ち合わせていないていなかった。

ただあてもなく、仲通りを歩いた。そのエリアに勤務している人たちや買い物にきている人たちの波に乗っている自分を客観視することで、心が穏やかになった。

そして、何度か深呼吸をした後、私の居場所はどこなのかを考えてみた。

ここではないかもしれないけど、あそこでは決してないと強く感じた。違和感を感じながら、それに甘んじ、牙を抜かれ、角を折られるなんて嫌だ。短い人生、特に後半戦に入った今、残された貴重な時間を無駄にしたくない。

雨空を見上げて、顔に雨粒を受けながら、誰にでもなく、そう誓った。



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