Saturday, May 05, 2018

Success and Happiness

先日、ドイツ在住の友人・K(50歳、男性、彫師)と、成功と幸せについて語り合いました。

私:(タトゥー・ショップの)オーナーって儲かるんだね! 

K:客呼べる彫師が何人かいればね。 でも腕の良いヤツは人気になると独立するから。 どうやって抱えるかが難しいけどね。 例えば、オーナーが凄腕彫師で、ソイツに憧れて、ソイツのファミリーメンバーになりたい若くて上手い彫師が沢山集まるスタジオは年間売上は軽く億は越えてるよ。 そういう店を三店舗とかやってるヤツ、いるから。 それがこの業界の理想的なビジネスモデル。 だから、それに憧れる若い彫師が名を上げようとコンベンションに参加するから、コンベンションも儲かるって図式。 メディアが集中するのがコンベンションで、名を上げるなら各国のコンベンションで賞を取りまくるのが一番早いから、それを目指す若い彫師も多いよ。 オレは、そういうの、疲れちゃってダメ(笑)。歳だな、名声とかに興味が無くなったよ。ほどほどで良いな(笑)。 有名にならないとピンハネビジネスモデルは出来ないから。それを目指すには歳取りすぎたな(笑)。 旅回りがもう無理。 一人でそこそこやれれば十分。

私:年齢というより年齢を重ねてきた中での経験なんだろうね、そういう風に思えるのは。若くて経験がない頃はとにかくガツガツと肉食系でお金やら名声やら出世やら、社会の中での成功と言われるものに憧れたりするもんね。 年齢を重ねて経験を積んでくると、成功というのは個人的なもので、主観的で、他人の成功が自分の成功と同じとは限らないというか…ね。 

K:もうさ、枯れた(笑)。

私:枯れてはいないと思うけど (笑) ガツガツしてる人をみると、そうガツガツすんなよって思ったりするよね。 

K:若い彫師見てると、名声欲で焦って空回りしてるヤツ、多いよ。 そこまで実力ないのにコンベンション沢山回って賞が取れなくて文句垂れ流して。 小さなローカルコンベンションで取った賞を大きく自慢したり。 そういうのに、巻き込まれると疲れるから(笑) たまに日本帰ってちょっと贅沢出来るくらいで十分。

私:身の丈を知るっていうんじゃなくて、社会の押し付けてくる成功というものがまったく空虚なもので、本来の成功とか幸せっていうのは自分にしか分からないもので、個々にカスタマイズするものなんだってことが分かっちゃうんだろうね、経験を重ねると。 

K:去年、マネージャーとAがクビになった時は、予約もガタガタになって、オレもお茶引く日があったりしてたんだけどさ、半年過ぎて今は指名客で2ヶ月半待ちなんだよね。 地元じゃちょっと知られて来てて。 オーナーから今の状況はお前の作品だけでこうなってるから、お前はもう無名じゃないよって言われた。 それで十分。それくらいで丁度良いよ。

私:人生って先が見えないからこそ飽きないし面白いんだと思うから、Kさんの未来だって分からないよ!数年後にはすごいオーナーになってるかも!

K:でもさ、名声欲も悪くないよ。自分の小ささに気づけば、這い上がろうと努力するし。 でも、それが出来るのも一握りなんだよな。才能ないと努力も出来ないから。 そこの見定めが出来ずに空回りして文句垂れ流すヤツがほとんどだよ。 嫉妬と妬みの渦(笑)。 疲れちゃうから、関わりたくない。 まぁ、50代で弟子を何人か育てようとは思ってる。 老後のピンハネの為に(笑)。

私:毎日毎日、自分に勝つというか、他人との比較ではなく、自分の弱さを克服して向上する姿勢が、良い未来を創るんだと思うから、日々真摯に目の前のことに向き合っていこうと思うよ。 

K:好きな事くらい真面目に出来なきゃクズだろ(笑) まぁ、ピンハネビジネスは別として、彫師なんて、有名、無名関係なく、1日の売上なんて大差ないんだよね。大量生産出来ない仕事だから。 だから、ローカルで十分な集客が出来て安定してるのが一番楽なんだよ。 嫉妬や妬みの下らないドラマに巻き込まれるのが一番疲れるから。 そういうのも、イロイロ経験してるから。 移動せずに一カ所で今くらいの稼ぎなら十分だよ。

私:若い子にとってはメンターだもんね、Kさんは。そうやって続いていくんだよね。老後の楽しみだね。

K: 昔っから、業界の連中からは「K、飛び地で営業中」ってよく陰口叩かれてたんだよね。 業界を無視して全く関わらずやってたから。 途中で気に入って自分でも使い始めたけど(笑)。 まぁ、ローカルで評価されてて十分集客出来てたら業界のイベントなんか出る意味がないって思ってたから。 客が溢れても全員こなせる訳じゃないんだし。 ほどほどでのんびりやるのがオレに合ってんだろな、きっと。

私:日々の積み重ねで今があるんだから、Kさんの日々の選択と真摯な努力が実を結んだんだよね。他人なんて責任もなくテキトーなこと言うから、そんなの気にして自分のやりたいことを我慢しても意味がないもんね。 経験がないならwork hardで、経験を積んだらwork smart だよ。じゃないと何のための経験なんだか分からないし、活用しないなんてもったいないよね……と自分に言い聞かせてるような (笑)

K:それ、ごもっとも。スマートにほどほどでのんびり。 それが一番。

というわけで、友人・Kとチャットしていて、気づいてしまったわけです。私にとっての成功と幸せというのは、世の中で言われている成功と幸せではないということに! 

私にとっての成功とは・・・ないです! 成功なんて考えたこともないし、人生において何をしたいとか、何を達成したらそれは成功と言えるとか、考えたことがないです。

私にとって幸せとは・・・日々の生活の中で感じるもので、それは瞬間だったり、一瞬が続いて何分、何時間、何日に及ぶこともあったり、でもそれを感じている時には感じることはなくて、振り返ったときに、「幸せだったなぁ」と思うもののような気がします。

さて、先日は、BFと一緒に、ビアンコ・ビアンコにまた行きましたよ!Thank YOU for taking me there again!

頂いたのは以下のとおりです。自然派シェフのお料理です。撮影はいつもの努力家の写真家=BFです。

Today's Specialの白身魚(何でしたっけ?)のサラダ

スペインオムレツ 

エビのアヒージョ

カサルバイベリコベジョータ48カ月熟成

自家製ピクルス

サーモンとキャベツのパスタ

(こっそり)買ったばかりのZARAのサマーセーター(ピンク)を着てきました。デートですものね。なんだか最近、黒とか暗い色を着るのがイヤなんです。なんでしょうね、この心境の変化は。

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