Wednesday, October 24, 2012

Interview with Lorin Maazel

「20世紀が『巨匠たちの時代』であったことは疑いようがありません。わたしはこうした栄光の時代が21世紀に失われつつあることを危惧しています。そしてこれは、演奏家側の責任というよりも、実は社会の問題、即ち、現代に生きる人々が偉大さを見ようとせず、探求する情熱も失っている、そうした現実に根ざしているのではないかと心配しています。皆が同じでなくてはならないといった考えがはびこり、偉大さとは無縁の生活を送ろうとしています。こうした傾向はあらゆる世界で言えることですが、芸術の世界ではkとに顕著だと思われます。人々はスポーツの世界にスターを求めますし、恋人を喜ばせるためには血眼になって最高のレストランを探し求めます。でも音楽の世界でそうしたことはしなくなりました。演奏家に対する関心が希薄になってきたのです。でも私はこう思います。人はやはり偉大なる人間に出会いたいし、名演にも触れたいのです。古楽もいいし、現代の音楽も素晴らしいのです。しかし、価値観の多様化が、ともすると自分たちの信じるものを放棄せざるを得ない、といった不思議な状況を作り出し、真に偉大なものから離れていく、そんな情況すら作り出しているのではと心配しています。」

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