Sunday, October 23, 2016

吉野家デビューからの吉野家ファンへ



日経新聞の9月の「私の履歴書」の連載は、吉野家ホールディングスの安部会長の半生を振り返るものでした。新聞をとっていない私ですが、(安部会長を敬愛する)私のBFが全29回の記事のコピーをとってくれたので、読むことができました。Thank YOU!

激動の半生が、ギュッと29回の連載に凝縮されていました。スピード感のある文章は、読んでいる側をグイグイとストーリーの中に引き込んで、まるで安部会長の半生を一緒に生きているかのような躍動感が伝わってきました。

どの回だったかは定かではないけれど、10回以降のいくつかの記事を読んでいる最中に、「吉野家の『牛丼』が食べたい!」という衝動にかられました。これまで私は、吉野家の「牛丼」を食べたことがなく、その味を知らないので、そういう衝動が起こることが不思議でした。「牛丼」の描写が全くない記事でも、そのような衝動を覚えたので、もしやサブリミナル効果が使われているのでは?と疑いたくなるほどでした。

さて、全29回の記事を読み終わってしばらくしたある日、私のBFにとって運命的な日がやってきました。細かいことは省略します(というか伏せておきます)が、私なりに考え、彼の大切な日に相応しいサポートの形はこれしかない!と思い、実行に移しました。



10月20日(木)、吉野家デビュー(@蒲田店)をしました。正確にはかつて一度だけ、(今は閉店してしまった)六本木店で、朝定食(焼鮭)を食べたことがあります。でも肝心な、吉野家といえばこれ、吉野家が本家本元!というシグニチャー・メニューの「牛丼」を食べたことがなかったのです。しかし、いきなり「牛丼」というのも食べ切れるかどうか・・・というわけで、牛鮭定食(焼鮭+牛肉)を注文しました。初めて食す吉野家の「牛肉」の「タレ」は、さっぱり甘辛でフルーティー。飽きることなく、胃にも優しく、大変美味しゅうございました。



やはり「牛肉小鉢」ではなく、本家本元の「牛丼」が食べてみたい!と思い、翌日21日(金)、出勤前の朝食の時間帯に来店(@浜松町店)、人生初の「牛丼(並)」を注文しました。しょうがを多めに乗せ、サクサクッとかきまぜた後は、ワシャワシャワシャワシャと、最後のお米の一粒も残さず、一気に平らげました。毎朝、F蕎麦やY太郎でお蕎麦、Sウェイのサンドイッチ、K楽苑のラーメン等、炭水化物を食べることが多い私ですが、吉野家の「牛丼」を食べた後に得られる満足感の比ではないと感じました。



その味をまだ舌が覚えている今日22日(日)、またもや朝食の時間帯に来店(@蒲田店)、今回は「牛丼(並)」に温泉卵と味噌汁を追加しました。あと引く「タレ」の味の安定感。非常に美味しく、またもや大満足でした。

少々脱線しますが、店内には夜通し飲み続けて朝帰りしたとみられる20代の男性がいました。牛丼を注文したものの手をつけずに、カウンターにうっぷせていました。しばらくすると、ムクッと立ち上がりヨロヨロと店外へ。電柱にもたれかかり、何度か吐いている様子。数分後、吐き気も落ち着いたのか、店内に戻ってきました。牛丼は冷めてしまっているだろうし、あの状態じゃ食べることなんかできないだろうから、持ち帰りにするか、または手をつけずにお会計するんだろうなぁと思って見ていると・・・なんと、紙ナプキンで口の回りを拭いた後、ワシャワシャと食べ始めたではありませんかっ! さっきまで吐いていた人間が食べることができる吉野家の「牛丼」とはいったい!?神がかっている!と驚愕しました。男性はものの数分で平らげ、大きな声で「ごちそうさま!」と言い、お会計をして出ていきました。その足取りは、先程とはうって変わって、力強いものでした。吉野家の「牛丼」パワー、恐るべし!

さて、多幸感いっぱいで家に帰り、再び安部会長の記事を読み直しました。吉野家が長年守り続けている味、倒産と再建、BSEで受けた打撃からの復活、「早い、美味しい」というモットー、創業者・松田元社長の「あった方が良い程度のものならない方が良い。変えることを考える前に、何を変えてはいけなかを考えろ」という教えが強く心に響きました。

食後すぐに歯磨きをする習慣のある私ですが、先程「牛丼」を食べてから3時間がたった今まだ、口内に残る吉野家の「タレ」の味を消すのがもったいなくて、歯磨きをしていません。こんなに美味しいものを食べずに生きてきたなんて!なんてこと!今まで吉野家を知らなかったことがなんとも悔やまれます。新たな吉野家ファンとして、これからの人生、末永く、足繁くお店に通いたいと思っています。

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