Sunday, June 19, 2011

Azure Sky

わたしが、「帰るね」というと彼は、ドラえもんみたいにポケットの中をゴソゴソと探したあと、「これお土産!」といって白い小さなビニール袋を差し出した。

「家に帰ってから開けてね」という彼のいうとおり、家に帰ってから袋をあけると、4種類のお香が入った箱が出てきた。なんともいえない、穏やかな色味のお香。まるで今の彼のココロの在るところをあらわしているような、そんな感じの色味だった。

お香セットの箱の裏には、「詞」が、日本語と英語で、添えられていた。


「遠くから聞こえる轟の音。
はちきれそうな雲の隙間から
大粒の涙がこぼれだす。

涙の石の連なりはやがて細く長く
静かな糸となって地表へ向かう。

すれ違う水滴たちが抱えるのは
哀しみではなくやさしい希望。

彼らは暑い雲の上に広がる、
大きな蒼空を知っているから。」

今、わたしの家族やトモダチの中には、いろいろな問題を抱えて、苦しんだり悲しんだりしてる人たちがいる。

どうか彼らのココロを覆う厚い雲が消えますように。そしてあたたかい太陽の日差しが差し込みますように。そして雨の日も曇りの日も、落ち込むことなく、空の上のほうには、美しい青空が広がっているということを思い出すことができますように。彼らに平安が訪れますように。

そう願いながら、今日の安息日を過ごすことにしよう。

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