Monday, November 23, 2009

マセた子供



わたしは、かなりマセた子供だったと思う。

小学校5年生のときの担任は24歳で、その彼に、
「アヤちゃんが24歳だったら、結婚したかった」
と言わしめたガキだった。

彼とは毎日、下校時間を過ぎてからも教室に残り、
男女のかけひきのような戯れをしていた。

小学生6年生のとき、わたしの書いた短い文が、地方紙に載った。
当時は、プライバシーとかそういうのに対して、社会は鈍感だったため、
わたしの小学校名と、わたしのフルネームと、わたしの写真が掲載された。
そしてその直後、
自宅に、変質者と思われる人からの電話がかかってきた。
両親が共働きだったため、わたしが電話に出ることになり、
エロい質問うけ、子供心に怖い思いをしたことを覚えてる。

ランドセルを背負って小学校に通うわたしと電話セックスをしたあの男は、
今ごろ、どこで何をしてるのだろう。

中学生になったころ、
先輩&同級生女子から、「モテる」ことを理由にいじめられた。
校舎裏の呼び出しは当たり前、毎朝、机やロッカーの中に、
嫌がらせのメモがつまってた。

高校に入ったころ、
わたしは同世代の波に乗れず、いつも疲れていて、
話をしても誰ともかみ合わず、
誰かに分かって欲しいと心の中で叫びながら、
でも誰にも心の内を明かすことができず、
次第に、学校にもいかなくなり、気がつけば、
駅のベンチで時間をつぶす毎日だった。

そのころウォークマンで聞いていたのは、ビリーホリデー。
当時のわたしに歌詞の意味なんてわからなかったけど、
ただその、メロディーに聞きほれた。
憂いていたわたしにはピッタリなサウンドだと思っていた。

今、また、こうして聞き返してみると、
不思議なことに、随分オトナな女の人の歌だなあと思う。
わたしは、まだわからない世界を歌ってるように、感じる。

恋をし、そして恋を失い、経験を重ね、
もうそろそろ恋の熟練工みたいな域に達していると自負しているのに。

ああ、いつか、しっくりくる日がくるのかな。
そうであってほしいような、ほしくないような、
複雑な思いで今は、聴いている。

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