Saturday, December 27, 2008

「ひとり」

飯島愛さんの突然の死に、ニュースのコメンテーターたちが口々に言う。 「死後、数日たって、発見されたっていうのが、かわいそうで・・・」 独身男女は震えたに違いない。 「このまま独身でいたら、同じような結末を迎えるのだろうか」ってね。 

私も時々、冗談で、「死後、数日たっても、誰にも気づいてもらえなくて、数ヶ月たって、家賃支払いが滞って、不動産屋が部屋を開けたら、白骨化した私を見つけるって、痛いよね」 でも、だからって、「ひとり」をやめようとは思わないし、もし思ってたとしたら、たぶんもうずっと昔に、「ひとり」をやめていたよね。

10年くらい前に付き合っていたBFが言ってた。 「毎日、連絡をする人を、ひとりでもいいから、作っておいたほうがいい。」 あの頃の私には、「死」はあまりにも非現実的で、「ふーん」なんて上の空で聞いていたけど、今はその意味がわかる。 「ああ、こういうこと(孤独死)を心配してたんだ」ってね。 

ちょっと前に付き合っていたBFが、「60になっても独身だったら、お互い面倒見あおうなっていう友達が2人いる」って言ったとき、私は、「ああ、20代のころは、『40になったら一緒になろうな』っていう約束をしたっていうのに、アラフォーになると、介護の約束するようになるんだ」って、ガックリしたのを覚えてる。 

でもね、人は誰でも、一人で死んでいくんだから。 両親よりも先に、旅立つ子供もいるし、夫婦だって、どちらかが先に逝くわけで・・・

冷たい北風が吹く中、人通りの多い街を歩いた。 すれ違うのは、ピッタリとカラダを寄せ合って歩く恋人たち、ベビーカーを押して歩く夫婦たち。 でもその中で、ピシっと着物を着て背筋を伸ばしてあるく老女の姿を見つけ、思わず、泣きそうになった。 彼女は、結婚してるのかもしれない。 してたのかもしれない。 しなかったかもしれない。 子供も孫もいるのかもしれない。 いないのかもしれない。 ご主人は家でのんびりしていて、その合間にひとりの時間を楽しんでいるのかもしれない。 ご主人の位牌に手をあてて、「行ってきます」と言って、外出したのかもしれない。 もしかしたら、好きな人の写真を眺めながら、「ねえ、この着物、素敵でしょ?」って言って、買い物に出かけたのかもしれない。 

「ひとり」だから、不幸せなんかじゃない。 「ひとり」だからって、同情されたりなんて、ゼッタイにイヤだ。 だって、私は、「ひとり」だけど、ものすごく幸せで、本当に恵まれていて、たしかに、クレジットカードの使い過ぎで毎月ヒヤヒヤしてたりはするけど、でも健康で、仕事があって、ありがたいなあって思いながら、日々生きてる。

先日、「今が最高に幸せだから、もう今、死んでもいいわ」って、彼に言ったら、「これから、いい人に出会うかもよ」って言われた。 その瞬間は、ものすごくへこんで、「ああ、もう死にたい」って思ったけど、でもそれ以外のときは、とても幸せで、だから、心配しないで。 同情なんて、冗談じゃない! 

私、「ひとり」でも幸せです。

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