Sunday, November 02, 2008

自転車のお医者さん

雨風が吹き付ける自転車置き場に、1年くらい乗らないままずっと放置していた自転車。 

昨日の朝、ふと乗ろうと思ったら、なんと、後輪がパンクしてた。 応急処置に、数分もてばいいからと、とりあえず空気を入れて、近所の自転車屋さんへ走った。 

自転車屋の店主は70代の男性。 パンクしたので今すぐ直してほしいと言うと、パンクだけじゃなくて、そのほかの悪いところも調整しておくから昼すぎに取りにいらっしゃいとのこと。

家までは自転車で3分。 徒歩7分。 見上げれば秋晴れの空。 足元には積み重なる落ち葉。 カラダにまとわりつくのは木枯し1号。 私のクルクルした茶色の髪は、風に弄ばれるがままになって、不規則に動き回る。 まるでメデューサの頭のように。 

午後2時すぎ、再度、自転車屋へ。 待ち構えていた店主は、パンクの理由を説明した。 

「このね、金属のところ、あるでしょう。 空気が甘いと、この金具がチューブに当たって傷をつけるんだよ。 だからね、週1回、空気を入れる習慣をつけてください。」 

いくらですか?と私が聞こうとする間もなく、店主は続けた。 

「チェーンね、油をさしておきましたから。 ダメだよ、さびちゃったらどうしようもないでしょう。 それから、ブレーキも調整しておきましたから。」 

確かに、ブレーキはキーキーと耳障りな音を出していたし、チェーンはカバーがないタイプだから、雨風ですぐ酸化しちゃうのね。 

お会計を済ませ、自転車にまたがり、ペダルを踏み込む。 その瞬間に、「あ!」と思った。 乗り心地が明らかに以前と違う。 買った当初の、あの感触が蘇ってる。 

自転車屋の店主は、自転車のお医者さん。 パンクしたり、チェーンが外れたり、あちこちがさびたり、バランスが崩れたり、そういう時に、救急で駆け込めば、キッチリ直してくれる。 でも大切なのは、そういう風にならないように、日ごろからしっかりメンテしておくことなんだよね。 

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