Tuesday, January 02, 2007

DAISY


妹の推薦で久しぶりに観た韓国映画でした。「愛するタイミング」が合わないとこんなに悲しい結末になってしまうのね。ほとんどの人の現実はこれほど大げさではないけれど、時間のズレが引き起こす諦めきれない関係に悩む人は多いことでしょう。

昨日、妹と一緒に牛久霊園に行きました。一年の初め、どうしても「彼」に会いたかった。いつも、生前はいつも、一年で一番最初に「声」を聞いた。大晦日、家族がからかう中、午前0時の時報と共に鳴る電話を待っていた。「彼」からの電話を待っていた。今年最初に会話をする人、それはいつも「彼」であったほしかった。

あれからもう5年半が経つというのに、いつも「彼」のお墓に行くときはドキドキする。大好きな人とのデートの気分。たくさん、たくさん、いつもよりたくさん、お線香を上げる。「彼」のお墓に行くといつも不思議な風が吹いて、お線香を点ける私たちを困らせる。「たけぴんのお墓にくるといつも風がふくね」 妹がなぜか嬉しそうにつぶやいた。そうね、「彼」が私たちに語りかけてくれているみたいね。ふと横を見ると、「彼」のお墓の横がまだ空いていた。冗談みたいに妹が、「きゃべがここを買ってたけぴんの横に入ったらいいのに」と言う。あぁ、こんな高台の日当たりの良い、風通しのよいところで、ずっとずっとたけぴんの横で眠れたらいいなぁって、私だって思うよ。でもまだ私が逝くときではないから。「彼」とはタイミングが合っていなかったのね。

あれからもう5年半が経つというのに、私はまだ立ち直れないでいるみたいだ。好きな人はたくさんできた。たくさんの人とお付き合いをしてそれなりに楽しい時間を過ごしてきた。でもどうしてもやっぱりあれほど、体の奥底から搾り取られるくらいにキューっと、好きな思いが心身共に苦しめるような、そんな風に好きになれる人は、いなかったように思う。これから、これから始まる新しい1年、どうやって生きていこう。偽ることはしたくない。寂しいからって誰かと生きるのはもうしたくない。人を愛したい。そしてその人に愛されたい。かけひきはもうやめて、いつも心のままをぶつけて。

DAISYを育てたいと思う。そしていつかそれをもって「彼」のお墓に行こう。その時、何かが変わっているといいなと思う。それまではもう無理をせず、「彼」への思いは、消化するでもなく、温めるでもなく、共存して行こう。息をするのと同じくらいに自然な距離を保ちながら。

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