Sunday, July 30, 2006

親の愛の深さと強さ。

子供のころの私は、よくディナーの席で、父にしかられた。
箸の持ち方が悪いことだったり、お鍋の薬味を取りすぎたことだったり、噛んでいる途中に話をはじめてしまったことだったり、好き嫌いをしていることだったり。とにかくイヤというほど、家族の前で、時にはゲストの前でしかられた。同じことを何度も繰り返してしまう自分がとても恥ずかしくて、情けなくて、悔しくて、いつも泣いてしまった。私は一度泣き始めるとなかなか泣き止むことができなかったから、いつまでもグスグスしている私をみて父は、「もう食べなくていい」と食事を取り上げたりもした。恥ずかしくて、情けなくて、悔しくて、2階の自分の部屋へ泣きながら逃げ込み、ベッドの中で泣き続けた。するといつも母は、父が寝静まったころ、お腹を空かせて眠れない私に、おにぎりを持ってきてくれたりした。

どこの家にもその家のルールがある。
それはRESPECTすべきもの・・・。

今日、誕生日を迎えた男の子がいた。一年に一度の大切な日。一年で一番楽しい日。そんな日に限って運悪く些細なミスを犯してしまった彼。その彼をしかる父親。ごめんなさいがいえなくて泣きじゃくる彼。ごめんなさいが言えた後も涙が止まらない彼。そんな光景を見ながら私は、幼かった自分を思い出していた。恥ずかしくて、情けなくて、悔しい気持ち。抱きしめて胸の中で泣かせてあげたい想いを殺すのに必死だった。どこの家にもその家のルールがあること、何度も何度も自分に言い聞かせた。誕生日は特別な日だ。思いっきり楽しい日であってほしい。でもだからといって全てが許されるわけではない。そんな日だと重々分かっていながら、それよりも大事なものを見据えてルールを曲げない父親の愛情の深さに心打たれた。その強さに頭が下がった。

私の父はどんなときでもその信念が「ブレ」なかった。だからこそ、尊敬できたし、今でも怖い存在でい続ける。私もいつか親になったとき、そんな風に「ブレ」ないでいたいと思う。そんな確かなものを持った親に子供は畏敬の念を抱き、憧れ、そのようになりたいと思うものだから。

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