幸せのピンク
おそろいの浴衣を着て部屋までの長い廊下を歩いてるときにわたしが、
「ねー、プレゼントに何がほしいの?って聞いてよー」って言うと彼は、
「もう用意してあるからね」って笑った。
「えー、それでもいいからさー、何が欲しいの?って聞いてよー」
ってわたしが3回くらい言うと彼はようやく、仕方ないなぁっていう顔で、
「何が欲しいの?」って言った。
わたしが、「お人形・・・」って言いかけた瞬間、彼はその後に、
「・・・の赤ちゃん」って続くんじゃないかって、ヒヤヒヤ顔になった。
その2秒後にわたしが、「お人形と一緒の時間よ」って言うと、
ものすごく嬉しそうに笑いながら、「それって正しいなー」って彼が笑った。
それから約14時間後、わたしたちは帰り道のサービスエリアにいた。
「プレゼントは、車の後ろにつんであるから。
BMWグッズ10点セットだからね」って彼。
「え、えーと・・・あ、う、うれしいな、ははは・・・」ってわたし。
もちろん、BMW10点セットは嬉しいんだけど(たぶん)、
でもわたしは、BMWを愛してるわけじゃない。
BMWを愛してる彼を愛してる。
彼がBMWじゃない車に乗っていたら、その車を愛するわけで、
彼が愛してるものを愛してるだけなんだけど・・・。
彼はものすごくBWMを愛している。
高速を走っていて、前にBMWがいると、
「よーし、ついていこーっ♪」って子供みたいにニコニコするから、
BMWにヤキモチやいちゃってわたしは、
「ねえ、お人形・・・そう思ってるのはお人形だけよ。
前のBMWの人は、お人形と一緒に走りたいなんて思ってないのよ。
かわいそうなお人形・・・泣」って言って、
彼は、「えー?」ってちょっと悲しそうな顔。
で、その後、ふたりで一緒に笑う。
そんなことを100回くらい繰り返して、でもそれが楽しくて、
そんなわたしたちって小学生みたいね。
サービスエリアで(彼の愛車を見ながら)しばしの休憩の後、
「よし、じゃー行くか」って彼が言って、車に乗り込もうとした瞬間、
彼がトランクから彼が大きな紙袋を取り出した。
あーっ、とうとう、BMW10点セットがやってきた・・・ってわたしは、
どういう顔で喜べばいいのかを光のスピードで考えて、
ありがとうっていう極上の笑顔を作ろうとしようとした瞬間、
袋の中からものすごくいい香りが漂ってきた。
あ、あれ? BMW10点セットじゃないの?
「ハッピーバースデー♪」って彼。 「あ、え? 何、これ?」ってわたし。
「え? 知らないの?」って彼。
車の中で袋の中身をチェック。
ピンクのリボンをほどき、箱を開けると、ポップコーンがぎっしり!
あ、やばい、可愛い。 「こぼさないでよね」って彼。
ええ、わかってますとも! 大好きなBMWを汚したりはしませんって!
えー、でも嬉しい。 何これ、買ってくれたの? マジで? ひゃーっ!
わたしのテンションは超・マックス。
悪いけど、BMWのメーターなんか、とっくにふりきれちゃってる勢いだよ。
「わーっ、これでお人形と・・・」ってわたしが言いかけたら、
彼が、「・・・ちゃぷちゃぷできるね」って言って、
わたしの考えてることと彼の考えてることがシンクロしたことがものすごく嬉しくて、
これって1年半一緒にいた軌跡だわーって思って、
それがまた嬉しくてわたしは、カラダ全体から喜びのビーム!
幸せのピンクの中身:
ロックスター100g(ソープ)
セクシー・ダイナマイト(バスボム)
ぴんく(バスボム)
スターの秘密(バスボム)
キャンディバス(バブルバー)
ぐるぐるブランケット(バブルバー)
めろめろマシュー(バスメルツ)
ヘルピングハンド100g(ハンドクリーム)
桃色キック(フットローション)
みつめてハニー(リップクリーム)
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