Today's Song - LaLaLa Love Song by Toshinobu Kubota
この曲は兄さんとよく一緒に歌ったっけ。あちこちのカラオケバーに行っては、ふたりで歌って、みんなに大切にされて。兄さんには奥さんがいて、私には同棲してる彼がいて、でも小さなNYコミュニティーの中でふたりは、「IT」ボーイ&ガールだった。
兄さんと、不倫関係になるすれすれのところまで、行ったよね。でもやっぱりできなかったその理由・・・それは、兄さんがあまりにも綺麗だったからかもしれない。 ある晩、兄さんが帰りたくないっていうから、あちこちのバーへ行った後、うちの店にこっそり滑り込み、結局朝まで一緒に過ごしたよね。 マンハッタン・イーストにあるお店で朝を迎えて、アサヒを浴びる兄さんの横顔はエンジェルさながらのように美しかった。 でもそれを見た私の性欲は完全に萎えてしまった。 美しすぎるのは罪よのぉ。 触れることができないよぉ。
若気の至りで、何度もそんな夜を過ごしたよね。 兄さんは、一瞬の「間」に賭けていたのかもしれないね。 でも結局、私たちは、誰からも憧れられる「IT」のふたりからは脱出できなかったよね。いつも朝まで抱き合って、でも芯までは抱き合えなくて、兄さんは奥さんの待つフラッシングの家へ、そして私はBFの待つスタインウェイのアパートへ帰る朝。
ここしばらく、NYに行く機会は、ないと思う。でももしあったとしたら、兄さんと朝をまた迎えたい。いやらしい意味じゃなくて、「可能性」を消したいね。 そして、私にはすごく愛してる人がいるってこと、メンと向かって伝えたいね。そしてあの綺麗な顔で、おめでとう、姐さんって、言ってほしいね。
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